印刷において黒色を表現する3つの主要な方法
印刷において黒色を表現する3つの主要な方法にスミベタ、リッチブラック、4色ベタがあります。
今回は、リッチブラックについて説明します。
リッチブラックとは
リッチブラックは、K100%に加えてC、M、Yのインクを少量加えることで、より深い黒色を表現する手法です。スミベタと比べると、以下の利点があります。
- より深い黒色を表現できる。
- 光沢のある仕上がりになる。
- スミベタよりもピンホールが発生しにくい。

注意点
- インクコストが高くなる。
- 印刷機によっては再現できないことがある。
- スミベタよりも版ズレの影響を受けやすい。
紙の収縮などで印刷の版が少しでもズレた際に他の色が見えてしまうので、細かい白抜きの文字がある場合などは出来る限りリッチブラックは避けたほうが良いです。
リッチブラックを使用する場面
- 高級感のある印刷物:カタログ、パンフレット、ポスターなど
- 写真やイラストが多い印刷物:写真集、絵本、カレンダーなど
- ロゴや文字を強調したい場合
- 黒色をベタ塗りする場合
- スミベタでは表現できない深い黒色が必要な場合
リッチブラックおすすめ設定
リッチブラックの設定は、印刷機や使用するインクによって異なります。しかし、一般的には以下の設定が推奨されています。
C:40% M:40% Y:40% K:100%
この設定は、深い黒色を表現しつつ、印刷機での再現性とコストのバランスを考慮したものです。
さらにリッチ感を出した黒にしたい時のおすすめ設定
C:60% M:40% Y:20% K:100%
※合計値が300%以上の濃い色にしてしまうと、インクが乾きづらく他の用紙に色が移ってしまうのでオススメできません。

※リッチブラックとブラックを使い分けることで、黒地にうっすらと色がのった特殊印刷のような仕上がりを作ることができます。
その他の設定
- より深い黒色を表現したい場合は、C、M、Yの比率を50%程度まで上げることができます。
- 光沢のある仕上がりを強調したい場合は、C、M、Yの比率を60%程度まで上げることができます。
- 印刷機によっては、リッチブラック専用のプリセット設定が用意されている場合があります。
リッチブラックは、より深い黒色を表現したい場合に有効な手法です。しかし、インクコストや印刷機との相性など、いくつかの注意点もあります。用途や予算に合わせて、使い分けることが重要です。
リッチブラック設定のテストプリントを行い、仕上がりを確認することをおすすめします。
代替方法
- スミベタ:コストを抑えたい場合、細かい表現が必要な場合
- 4色ベタ:より深い黒色が必要な場合
これらの方法を使用する場合は、印刷会社に相談し、適切な設定を確認することをおすすめします。
Illustratorの設定方法
Illustrator(イラストレーター)で正しく設定されていないと、指示通りに書き出せなくなります。希望通りの色で書き出しができる状態か確認しましょう。
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